WordPress の保守費用は何にいくらかかるのか — 相場の内訳
WordPress サイトの保守を外部に頼もうと調べ始めると、月額数千円から数万円まで、あまりに幅があって判断がつかない。安いところと高いところで何が違うのかが分からない——という状況で読まれることを想定した記事です。
先に結論
- 価格の幅は、「どこまでやるか」の範囲の違いです。品質の差であるとは限りません
- 最も分かれるのは「異常に気づくまで」か「直すところまで」かです。ここが同じ言葉で書かれています
- サーバー費用が含まれるかどうかで、見かけの金額は大きく変わります
- この記事の最後に、CloudHonu の料金をそのまま載せています。比較の基準にお使いください
保守費用は、何に対して払っているのか
「保守」という言葉には、性質の違う作業が混ざっています。まずこれを分けないと、金額の比較ができません。
1. 監視 — 異常に気づくための費用
サイトが落ちていないか、証明書やドメインの期限が近づいていないか、ファイルが書き換えられていないかを、継続的に見る作業です。
ここで効くのは頻度と範囲です。1日1回の確認と5分間隔の確認では、障害に気づくまでの時間がまったく違います。「監視あり」と書かれていても、その中身は各社で相当に違います。
2. 更新 — 脆弱性を塞ぎ続けるための費用
WordPress 本体・プラグイン・テーマの更新を当て続ける作業です。ここが最も誤解されやすい部分で、次の3段階のどれなのかを確認する必要があります。
- 検出して通知するだけ — 更新があることを知らせる。当てるのは自分
- 更新を適用する — 実際に当てる
- 適用して、壊れたら戻す — 当てた結果まで責任を持つ
3つとも「更新対応」と書けてしまいます。更新が成功したことと、サイトが正常に動いていることは別なので、3段階目まで含むかどうかは金額に直結します。
3. バックアップ — 戻せる状態を保つための費用
取得の頻度、保管の世代数、そして保管場所で変わります。同じサーバーの中に置いた控えは、サーバー自体の障害では一緒に失われます。
ここも「バックアップあり」だけでは判断できません。取れていることと戻せることは別で、復元作業が料金に含まれるかどうかは、必ず確認すべき点です。
4. 復旧 — 起きてしまったときの費用
障害や改ざんが起きたときに、誰がどこまでやるのか。月額に含まれるのか、その都度の見積もりになるのか。ここが月額の安さと引き換えになっていることは多く、実際に何かが起きたときに初めて気づくことになります。
5. 人が対応する時間
テキストの差し替え、画像の入れ替え、プラグインの設定変更といった依頼に応じる枠です。ここだけは仕組みで安くできません。人が動く時間そのものなので、含まれる分だけ価格が上がります。
6. サーバー費用
保守費用にサーバー代が含まれているかどうかで、見かけの金額は大きく変わります。「月額5,000円+サーバー代3,000円」と「月額8,000円込み」は同じですが、一覧表で並べると前者が安く見えます。
価格帯は、だいたい3つに分かれる
上記の組み合わせで、公開されているプランはおおむね次の帯に分かれます。
- 月額 数千円台 — 監視と通知が中心。更新の適用や復旧は別料金であることが多い帯です
- 月額 1万〜2万円台 — 更新の適用、バックアップ、復元まで含む帯。企業サイトの主力はここです
- 月額 3万円以上 — 上記に加えて、人が対応する時間や個別対応が含まれる帯です
安い帯が悪いということではありません。社内に対応できる人がいるなら、監視と通知だけを買うのは合理的です。問題になるのは、範囲を確認しないまま安い帯を選び、いざというときに「それは含まれていません」となる場合です。
見積もりを比べるときに確認する6点
- 更新は「通知」までか、「適用」までか、「壊れたら戻す」までか
- バックアップはどこに保管されるか。同じサーバー内なら、サーバー障害では一緒に失われます
- 復元作業は月額に含まれるか。回数の制限があるか
- サーバー費用は含まれるか
- 人が対応する枠はあるか。あるなら回数と1回あたりの時間
- 最低契約期間と、解約時の条件
この6点を各社に同じ言葉で聞くと、金額の違いがそのまま範囲の違いとして見えるようになります。
CloudHonu の場合
比較の基準にしていただけるよう、当社が先ほどの6点をどう扱っているかを書いておきます。プランは4つあり、月額7,700円から。すべて税込で、初期費用と最低契約期間の縛りはありません。
先ほどの6点に当てはめると
- 更新:Light は検出と通知まで。Standard 以上は自動更新の適用まで含みます
- バックアップ:Standard 以上で毎日の遠隔地バックアップ。同じサーバーの中には置きません
- 復元:Standard 以上に含みます。当社やインフラ起因の復元は無償、お客様起因は年1回まで無償です
- サーバー費用:Standard 以上は込みです。引越しの代行も無料で行います
- 人が対応する枠:Business で月2回(1回30分以内)の軽微修正、Premium で月2時間の復旧対応枠
- 契約期間:縛りはありません。12か月未満での解約時のみ、サーバー移行にかかる実費をいただきます
プランごとの金額と監視項目、どのプランを選べばよいかの判断材料、注記の詳細は料金ページにまとめています。サイト数やご要件によってお見積もりが変わるため、金額は「〜」表記にしています。
費用対効果をどう考えるか
保守費用は、成果が見えにくい支出です。何も起きなければ「払わなくてもよかったのでは」と思えてしまいます。
判断の材料になるのは、止まったときに何が失われるかです。
- 問い合わせが1週間止まったら、いくつの機会を失うか
- 改ざんされて検索結果に警告が出たら、回復までにどれだけかかるか
- 問い合わせページが静かに404になっていたとしたら、それに気づくまで何日かかるか
最後の項目が、保守の本質に近いと考えています。止まれば誰かが気づきますが、静かに壊れたものは誰も教えてくれません。保守費用の多くは、その「誰も気づかない時間」を短くするために使われています。
