障害・トラブル対応

サイトが表示されない — 真っ白・つながらないときに切り分ける3つ

取引先から「サイトが見られない」と連絡が来た。自分で開いてみると真っ白な画面が出る、あるいはブラウザが「接続できません」と言う。何が起きているのか見当がつかない——という状況で読まれることを想定した記事です。

先に結論

  • 原因はドメイン・サーバー・WordPress の3層のどこかにあります。上から順に潰すと最短です
  • 真っ白な画面接続できないは、まったく別の症状です。混同すると調べる場所を間違えます
  • まず自分だけの問題かどうかを切り分けてください。ここを飛ばすと、無い障害を追うことになります
  • 復旧を急いで再インストールやバックアップの全面復元をすると、直る原因を消してしまうことがあります

ステップ0:自分だけの問題ではないか

最初にこれを確認してください。ここを飛ばして原因を探し始めると、実際には起きていない障害を何時間も追うことになります。

  • スマートフォンを Wi-Fi から外し、モバイル回線で開く。これで見えるなら、事務所の回線かパソコンの問題です
  • シークレットウィンドウで開く。これで見えるなら、ブラウザのキャッシュか拡張機能です
  • 別の人に見てもらう。複数人が同じ症状なら、本当にサイト側の問題です

セキュリティ設定によって自分の IP アドレスだけが遮断されていることも実際にあります。この場合、他の人からは正常に見えています。

ステップ1:ドメインは生きているか

ブラウザが「サーバーが見つかりません」「アドレスが見つかりませんでした」と言う場合、そもそもサーバーまでたどり着いていません。この段階でサイトの中身を調べても意味がありません。

ドメインの有効期限

更新を忘れて期限が切れると、ある日突然すべてが止まります。メールも同時に止まるので、症状としては分かりやすいはずです。登録情報のメールアドレスが古いままだと、更新の案内自体が届いていません。

「サイトは制作会社に任せていて、ドメインが誰の名義でどこに登録されているか分からない」という状態は、それ自体が危険です。止まってから調べ始めると、復旧に日数がかかります。

ネームサーバーの設定変更

サーバー移転の作業中や直後に起きます。設定変更は世界中に伝わるまで時間がかかるため、人によって見えたり見えなかったりするのが特徴です。「自分は見えるが、客先からは見えない」という報告が来たら、この型を疑います。

ステップ2:サーバーは応答しているか

ドメインは引けているのに表示されない場合、次はサーバーです。

証明書の期限切れ

「この接続ではプライバシーが保護されません」という警告が出る場合です。サイト自体は動いていますが、ブラウザが警告を出して先に進ませません。訪問者から見れば「見られない」のと同じです。

証明書は自動更新の設定になっていることが多いのですが、その自動更新が静かに失敗していても、期限が切れるまで誰も気づきません。気づく手段は、期限の監視しかありません。

サーバー側の障害・契約の失効

レンタルサーバー各社は障害情報を公開しています。まずそこを見てください。自社サイトだけでなく他のサイトも見られないなら、サーバー全体の問題です。

契約の支払い忘れによる停止も、頻度としては珍しくありません。この場合はサーバー会社からの案内が来ているはずですが、届け先のアドレスが古いと気づけません。

アクセス集中・リソースの上限

共用サーバーには同時接続数などの上限があります。上限に達すると「503」などが返り、一時的に見られなくなります。メディア掲載の直後や、機械的な大量アクセスを受けたときに起こります。

ステップ3:WordPress の中の問題

サーバーは応答しているのに中身が出ない場合、ようやく WordPress の話になります。

真っ白な画面(ホワイトスクリーン)

何のメッセージも出ず、完全に白い画面が出る状態です。ほとんどの場合、PHP の処理が途中で止まっています。プラグインやテーマのエラー、あるいはメモリ不足です。

新しめの WordPress では、この状態でも「重大なエラーが発生しました」というメッセージが出るようになっています。そのメッセージが出ているなら、原因の特定はずっと簡単です対処はこちら)。完全に真っ白なら、WordPress が起動する前に落ちているか、エラー表示が抑制されています。

何が起きたかを文字で確認するには、エラーログを見ます。真っ白な画面の場合、WordPress 側のログには何も残っていないことがあるので、サーバー側の PHP エラーログも確認してください。

データベースに接続できません

この文言が出る場合、原因は限られます。データベースの接続情報が変わったか、データベース自体が止まっているかです。サーバー移転の直後や、サーバー会社側のメンテナンス後に起きます。

更新の途中で止まった

「メンテナンス中につき、しばらくお待ちください」から進まない状態です。更新中に通信が切れると、この状態で固まります。サイト直下にできた .maintenance というファイルを削除すれば復帰します。

やってはいけないこと

焦って次のことをすると、状況が悪化します。

  • 原因を特定する前に、バックアップで全面的に上書きする。直近の投稿や問い合わせが消えるうえ、原因も一緒に消えるため再発します
  • WordPress を再インストールする。ほとんどの場合、本体は壊れていません
  • 複数の設定を同時に変える。直っても何が効いたのか分からず、次に同じことが起きたときに再現できません

なお、この切り分けを自社で抱えるか外部に任せるかは、保守費用の内訳を見比べて決める話になります。「監視まで」か「復旧まで」かで金額が変わります。

「表示されない」は結果であって、原因ではありません。3層のどこで止まっているかを1つ決めてから動くほうが、結局は早く終わります。そしてこの切り分けは、平時に一度やっておくと本番で迷いません。

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